(社)腐食防食協会会長挨拶


  (社)腐食防食協会会長 瀬尾眞浩(平成17年度、18年度会長)

 腐食防食協会では、平成15年に腐食防食専門士の資格認定制度が発足し、これまでに21名が腐食防食専門士として認定されております。腐食防食専門士は、腐食防食協会から腐食防食の科学・技術分野における優れた技術者・研究者であると認定された方々です。我が国の高度成長期に造られた数多くの橋梁や鉄筋コンクリートなどの大規模構造物、化学プラント、石油精製プラント等の老朽化が進んでおりますが、これらの構造物や設備をメンテナンスする防食技術者の数が不足しております。また、工業技術センター等に持ち込まれたガス・水道管や給湯設備等の腐食問題には、腐食を専門としない技術者が腐食相談に応じている場合が多いとのことです。腐食は材料と環境の組み合わせで様々に変化し、臨床医学と同様に防食には腐食事例に関する知識の蓄積と腐食防止に関する長年の経験が必要です。このような状況のもとで、腐食防食に関する優れた業績と長年の経験を積まれた腐食防食専門士の方々の活躍の場所が、益々広がるものと期待しております。
 ところで、腐食防食協会内の組織として腐食センターがあります。腐食センターは腐食相談・技術指導、腐食防食の指針制定、調査・研究の受託、実務講習会の開催を行っております。腐食防食専門士は、個々の腐食相談、調査・研究の受託等を本務といたしますが、希望により腐食センターに登録された腐食防食専門士の方には、必要に応じてセンター内の腐食相談に乗っていただく体制になっております。また、腐食防食協会及び腐食センター主催の腐食講習会には、腐食防食専門士の方々に講師として積極的に参加いただけるものと期待しております。現在、腐食防食協会・腐食センターと腐食防食専門士の方々との協力により、お互いのホームページがリンクされましたことは、腐食防食協会および腐食防食専門士の方々の将来の発展にとって鍵となる重要なステップであると確信しております。腐食防食に携わる数多くの技術者・研究者が腐食防食専門士の資格認定制度を利用され、腐食防食専門士として腐食センターとの密接な連携のもとに我が国の腐食防食技術ならびに腐食防食協会の発展に大きく貢献されることを強く希望いたします。